久々に胸クソ映画を引き当ててしまい、レビューを書くつもりはなかったんですが、1点、これは心に刻んでおきたいと思ったことがあったので書きます。
胸クソ映画ではあるのですがそこはさすがの韓国映画、そして主演はイ・ヨンエさんですから、よくできた映画であることは認めざるを得ません。ラストシーンから始まるカメラワークも上手いし、内容も、結局のところ観るのをやめることができず最後まで視聴しました。最後がどうなるのかめっちゃ気になるし、途中がダレることもなく。
ただ登場人物が揃いも揃ってロクでもないのと、エピソードがよくぞここまでの不幸を思い付くもんだなレベル。っていうか、現実にあったであろう何かを模してるんでしょう…余計に救いがない。
よく「人生山あり谷あり」とか言いますよね。それはある意味では正しいけど、それはいくつか連続した谷を、後から振り返ったら一続きの谷として1つにカウントした場合ですよね。
でも、息子が行方不明になったことや、詐欺レベルのいたずらや、交通事故、といった、種類の異なる「谷」を、まとめて1つにカウントしていいんですかね。次は「山」だと盲信し、必要な警戒を怠っていいんですかね。
平和な日本に慣れきってお花畑思考でいると、何か不運なできごとがあったら周囲が手を差し伸べてくれるような気がするかもしれないけど、世の中、「ひでー奴」ってのが存在して、不運な人からさらに搾取しようとするかもしれないよってことを覚えておこうと思ったのです。例えば宗教とか、壺とか…最近不運があった人に、根拠もなく「次は山だ」と信じさせることを専門としている人たちがいる。そういう人たちも死活問題ですから、騙す方だってそれこそ必死なんです。
何かあった時こそ気を引き締めて、連鎖を生まないようにしないといけない。
いちおうこの映画のラストには救済が用意されており、途中でやめないで良かったといのは述べておきます。
余談ですが、この映画を見て初めて、自分の足の爪(小指)が副爪だということに気づきました。