あまりに良すぎて感想が書けなかったドラマ。2024年は始まったばかりだけど、今年一番が決定してしまった気がする。あ、見たのはまだ2023年だったか…
問題は「愛の不時着」を超えたかどうかですけど、まぁぜんぜんジャンルが違うから比べても仕方ないですね。メインキャストに悪人出てこない、単発的に悪い奴が出てきてもきちんと成敗される。基本的に1話で読み切り。長くても2話。弁護士モノなので事件が起きて解決の繰り返し。「愛の不時着」は素晴らしい作品だけど見ていて疲れる。なにせ、中盤まで息をつけない。軽く見ることができるドラマは後に残るものがないという欠点があるので、そういう意味では「ウ・ヨンウ~」は軽く楽しんだ後、忘れ去るのも早いかな?
私がこのドラマを好きな理由はいくつもあるのですが、筆頭に挙げたいのはジュノ役のカン・テオさんの表情。ヨンウは自閉症スペクトラム障害で、他の人から見たら奇妙に思える行動をとる。下手すると炎上もしかねない題材なのですが、ヨンウの言動に虚をつかれつつも愛情がついつい溢れてしまうジュノさんの表情が本当に良い。ヨンウ役のパク・ウンビンちゃんの演技が上手すぎるだけに、カン・テオさんの果たす役割は重要…っていうか理屈じゃないんですけどね。この二人の主役以外は有り得ないです。
で、撮影現場の動画をいくつか見たりもしたのですが、演出家が結構細かく演技指導をしていて、この方のセンスがいいに違いない。他にも製作陣の細部へのこだわりが結構すごいみたいで、海外ロケがないにも関わらず予算もかなり巨額のドラマらしいことを鑑みると、主役二人だけでなく、ドラマ全体がかなりの鳴り物入りで製作されたように思えます。軽いコメディに見える割に。ヨンウのヘアスタイルと衣装を担当した人もすごいと思う。
私は昔から刑事モノや弁護士モノが好きなのですが、仮に二人のラブラインを抜いたとしても、プロットの面白さが秀逸。特に好きなのは田舎の村のど真ん中に道路計画が持ち上がり、村民側の弁護をする回なのですけど、どのエピソードも甲乙つけるのが困難な平均値の高さです。
あ、それと、第一話の冒頭から夢中になれる点も韓国ドラマらしからぬ良さ。最初の7分だけのyoutube動画ってのがあるのですが、7分だけでも十分すばらしいショートドラマとなっております。
1コ1コのストーリーが起承転結で展開するのに加え、全体を貫くテーマもあって、終盤にようやく登場するキャラクターもまたすごいから続編を期待してしまうんだけど、主役のパク・ウンビンさん、このドラマは本当に大変だっただろうと思うので(自閉症スペクトラム障害がめっちゃリアルなのに加えて、マシンガンのように口をついて出てくる法律用語と裁判シーン)、続編は彼女次第なんじゃないかなぁ。
1度目は字幕付き、2度目は吹替えで見ました。少し内容を忘れた頃にまた見たい。