先日書いたブログでは(終盤の数分がムカついたせいで)このドラマの素晴らしさを全く表現できていなかったから、第二弾書きます。
昨日は視聴していなかった15話まで。この部分は美容師の専門学校生だった21歳のクムスンが、ボーイフレンドであるIT系の大学生の子どもを妊娠してしまい、そのドタバタ劇からのスタート、結婚生活3日にして夫が事故死してしまうという悲しい展開、さらに、婚家から追い出され、実家にも帰れず、という苦境を乗り越えるまでが描かれます。
ちなみにこの長~いドラマには一応シーズンの区切りみたいなのがあって、16話のスタートは2、3年後のようです。区切りでは登場人物、主にクムスンの髪型がガラリと変わるのが特徴で、出だしはクリクリパーマをお下げにした芋ねーちゃん風、16話からは爆発したようなソバージュヘアとなります。
後半のボーイフレンドであるジェヒがドラマ全体を通じたヒロインの相手役としてはメインではあるものの、この序盤のボーイフレンド(3日だけ夫)のジョンワンとのエピソードもなかなかのもので(まぁ考えてみたら15話もありますからね)、毎回涙を絞りとられました。
大学3年生のジョンワンが専門学校生のクムスンを妊娠させてしまうわけですが、このカップルはどちらかと言うと流行とは無縁のドンくさいカップルで、ゆえに妊娠に関する知識も乏しかったというわけです。ジョンワンは3兄弟の末っ子でいちばんオクテの甘えっ子だったため、兄たちや母親は驚愕します。
印象的だったのはジョンワンが実家に幽閉され、1週間もクムスンに連絡しなかった後のストーリー。不安で仕方なかったクムスンはジョンワンを責めるものの、交差点の向こうから大声で「(結婚するという)約束を守ってくれてありがとう」と叫ぶシーン。これがこのドラマを貫くクムスンのキャラクターを象徴するシーンだなと思いました。恨みつらみを引きずることなく、素直に感謝することで周囲が変化し、膠着していた状況が改善していきます。
さて、事故死してしまうジョンワン。これはタイミングが超絶悪くて、義理母と買い物に出たクムスンがソウルという慣れない都会ではぐれて道に迷ってしまい、ジョンワンが週末でもないのに大学から戻ってくる途中の事故。義理母としては末っ子の死はクムスンのせいだと思わざるを得ません。しかも事故を知らないクムスンは訃報の真っ最中に何とか自力で(のこのこと)帰ってきて、取り乱している義理母に「心配してくれていたんですね」と言います。(この先の修羅場は実際にドラマを見るまでもないでしょう)
電話でジョンワンは母親に、「クムスンが迷子だからソウルに戻るんじゃないよ」と言ってはいましたが、週末以外に帰省したことなんかないジョンワンです。
母親にとって可愛い三男坊の死はクムスンのせい以外の何ものでもなく、クムスンが視界に入るのも嫌、同じ空気も吸いたくない、というヒステリー状態。父親と兄たちも(母親よりは多少冷静ではあるものの)とてもクムスンを家には置いておけず、実家に帰りなさいと門を閉ざします。
一方、クムスンの実家は家計が苦しく、祖母は家を引き払い、息子の嫁と同居をスタートしたばかり。居場所がないことを悟ったクムスンは、祖母には嫁ぎ先で良くしてもらっていると嘘をつき、サウナや住み込みで働ける場所を求めて彷徨う羽目に。慣れない都会で財布を掏られて無一文となり、ゴミ拾いで得た小銭でようやくチョコレートを3つ買いますが、ここでクムスンは更に恵まれない人の存在に気づきます。すなわち、ホームレスの子どもにチョコをあげるのです。
空腹を抱えたまま公園のベンチでウトウトしてしまったクムスンを揺り起こしたのは、何と夢の中のジョンワンでした。お腹の子を守れるのは自分しかいないと気付いたクムスンは意を決して義理実家へと戻り、ここで出産させてくれと頼みます。
実はクムスンの実母も同じような運命をたどっています。妊娠8ヶ月でクムスンの夫は死亡。夫の母親にいじめ抜かれた実母はクムスンを置いて家を出るのです。
湿っぽいドラマという印象を持たれるかもしれませんが決してそんなことはなく、テーマが重いのになぜか全体的には明るい雰囲気。古臭いと一蹴するには惜しいのでもう少し先まで見てみようと思っています。