成功率100%の殺し屋、ヒョンウク。潔癖な彼は、完璧な仕事の後、袖口の血が気になって銭湯に立ち寄る。そこで転がってきた石鹸で足を滑らせ転倒。頭を打って記憶喪失に。
偶然居合わせたジェソンは、売れない役者。生活はカツカツで人生に絶望していた彼は、脱衣所で見かけたヒョンウクの高級時計や高そうなスーツに目がくらみ、とっさに自分のKeyとジョンウクのKeyをすり替えてしまう。
命に別状はなかったものの、記憶が戻らないヒョンウクは、ジェソンとして人生を歩み始める。
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堺雅人さんと香川照之さんのキャストで公開された2012年の「鍵泥棒のメソッド」のリメイクで、2016年の映画です。オリジナルは見ていませんが、予告編で見て、これは面白そうだと思ってました。
コワモテのおっさんが、石鹸でコケるシーンがあまりに滑稽で秀逸。ヒョンウク演じるユ・ヘジンさん、香川照之に勝るとも劣らないコワモテ。
売れない役者を演じるイ・ジュンさんは、「キャリアを引く女」で私が目をつけていたイケメン。いかにも頼りなさげな雰囲気がぴったり。
すごく面白かったのは、潔癖なヒョンウクがジェソンの汚部屋をあっという間にキレイにし、そしてジェソンが完璧に整えられたヒョンウクのマンションをあっという間に汚部屋にしちゃうところ。
所持金が2000ウォンしかなくてあっちこっちに借金もあり、こりゃ死ぬしかないと絶望していたジェソンの人生を、ヒョンウクは着実に立て直していく。
人生って、些細なチョイスの積み重ね。ベクトルの向きによって大きく差が開くものなんですね。
ヒョンウクに惹かれていくチョ・ユニさんが可愛かったなぁ。そしてヒョンウクがデレデレに変化するところも。
予告編の動画で日本版と韓国版の、「銭湯石鹸コケ」シーンを比較することができるんだけど、韓国版はオリジナルである日本版に忠実に作られています。ハリウッドでどんなに頑張っても銭湯を舞台にすることは無理だよねー。韓国と日本、妙なところで同じ文化を共有していて楽しい。
★4つでもいいくらいなんだけど、こんなに面白いコンテンツならもっともっと面白くできる可能性があった気がして3つ。