海外ドラマが好き♪

海外ドラマの感想ブログです。たまに脱線します。

本物のお金持ちを見つけた。



バックヤードがひどく汚い。
入社当初、新人の私が勝手にいじくりまわすわけにはいかなかったので、とりあえずいただき物のお菓子スペースをこまめに整理した。
次に、ついに我慢できずに、文房具の箱に手をつけた。(高級マンションのカウンターにはふさわしくないメモ帳が箱の1/5を占めていた。捨てた。)そして、カウンターの4つある引き出しの2つを整理した。その辺りから周囲に伝染していったと思う。まず隣に座っていたSさんが残りの引き出し2つを整理した。夜勤のYさんがテプラと配送伝票を整理した。若い女の子のYさんが取り扱い説明書の山を整理した。Nさんが地下の倉庫を整理した。


話がそれるが、人によって整理のポイントが違うのが面白い。私は小さいところからチマチマと始めるタイプだが、Yさんはいきなりラスボス(取説の山)から入った。取説と言っても、普通の会社とレベルが違うのだ。我が賃貸マンション、各部屋に20cmぐらいの厚さの取説が設置されている。洗濯機・乾燥機等の大型家電はもちろん、カーテンレール、ネット関係に至るあらゆる取説がある。それのストック(しかも日・英)が文字通り山のようにあるわけで。しかも全く整理されずにあちこちに。


話を戻す。
2005年から整理されていない出前情報や周辺情報等の紙モノをあらかたやっつけたのち、気になっていたシンク下スペースに取り掛かった。


ここは隣の防災センターの人も使うスペースなので、防災センターの係員さん全員に、私物を置いていないか確認をとり、清掃スタッフさんにも確認を取った。2週間かかったが全員の確認が取れたので、ついに決行した。


誰がなぜここに置いたかわからないシロモノたち(たぶん退去の部屋から出てきた水周りの消耗品を誰かがぶちこんだのだろう)を全て段ボールに入れ、「ご自由にお持ちください」と張り紙をした。


誰もここで洗濯なんてしないのに、衣類の洗剤・漂白剤・染み落とし・柔軟剤が山のようにある。
まずはお掃除のおばちゃんが反応した。
衣類の漂白剤のボトルを手に取ったので、「あ、それ、詰め替え用もあります。口が切ってあってクリップで留めてあるけど持って帰りにくいかしら」と声をかけ、以下、その続きの会話。


おばちゃん「大丈夫。自転車だから。私、主婦だから何でもいただくわ。お札が出てきたらちょうだいね〜。」
私「お札は出てきてないけどね、1円玉は出てきましたよ。」
おばちゃん「1円を笑う者は1円に泣くっていうからね。」


その時はこの雑談に関して何とも思わなかったが、しばらくして気が付いた。


おばちゃん、自転車で通勤してるって言った!?


そう、我がマンションは都内の一等地である。しかもアップダウンのある地形。ここまで自転車でこれる範囲って・・・
皇居にでもお住まいデスカ?


使いかけの消耗品は「小判の端」「1円に笑う者は1円に泣く」。この精神で暮らしていて、しかもおそらく60歳過ぎているであろうにまだ現役で働いている。お掃除のおばちゃんにしては髪型が素敵でキレイな色に染めている。


悠々自適のおばさまはマンション内にたくさんお住まいだが、やれ習い事だ、お付き合いだ、お金がかかって仕方ないであろう。働いていればそういうお付き合いは仕事を理由に断れるし、日々身体を動かすし、アタマも使う、人との会話にも事欠かないからわざわざお金と時間を使って友達とおしゃべりする必要もない。


彼女こそ、本物のお金持ちかもしれない。