確か2007年頃、先輩からDVD一式お借りして見たのが最初。また最近Abemaでやってるから時間が合う時だけちらほら視聴してるのですが、ほんと良くできたドラマだなーと。
好きになれないポイントも多々ありはするんだけど(特に全体的な雰囲気が物憂いし冗漫)、会話の歯車がストーリーを前へ前へと進めていく、脚本のうまさが秀逸。
古いタイプの韓国ドラマは1話から3話まで(幼少期)がとにかく退屈なんだけど、秋の童話に限っては子供時代が、とてもいい。しかも幼少期は伏線の宝庫だから、一巡目も素晴らしいが、ニ巡目には涙腺をこれでもかと崩壊させる。
今回、その3話までを見返してみて、一番の涙腺崩壊ポイントはユンソが生みの親の元に行くと決めたシーン。
一度も観ていない方のためにざっくりと説明すると、同じ日に生まれた女児2人が病院で取り違えとなり、14歳で発覚、実の親の元へ「取り替え直す」のが3話までの主なストーリーです。
この二つの家庭は、
A:お金持ち
B:社会の底辺で暮らす母子家庭
です。共通点は兄がいることなんだけど、A家の兄はカッコよくて優しいオッパ(成人役はソン・スンホンが演じる)、B家は経営カツカツの自営業(市場の食堂)のお金をしょっちゅう持ち逃げしているような不良です。
ユンソはA家で何不自由なく、両親と兄からの愛情たっぷりに育ちます。母と娘って多少なりとも確執があったりするものだけど、この母はユンソにベッタリ。それなのにユンソを韓国に置き去りにして渡米してしまいます。
一巡目に見た時は「なぜ!?」と思ったのだけど、全編知ってるうえでもう一度見ると、そこに違和感を感じさせないように丁寧に丁寧に伏線が張られているんですよね。伏線と呼んでしまえば3話全部が伏線なんだけど、3話だけで一つの物語と言ってもいい。本編(4話以降)見なくてもいいんじゃないかぐらいな。
なんか「おしん」を思い出しますねぇ。子供時代だけ独立させてもいいですよね、あのドラマも。
涙腺崩壊ポイント第二位は、ユンソが貧しい家のお弁当(豚の頭と麦ごはん)を「マシケモッケスミダー(いただきま~す)」と言って食べ始める時の、覚悟を決めた笑顔。ユンソはお金持ちだろうが貧しかろうが、どちらの家でも幸せを見つけることができる子だということがこのシーンから伝わってくる。幸せを見つけると言うか、悲しい言い方をすると、諦めることができるというか。
この点は実母(キム・ヘスクさんが演じてます)にも共通していて、娘を二人ともウチで面倒見させてほしいと言ってきたA家の母に、最初は「冗談じゃない」と札束を投げ返すも、ウンソがA家の母に「オンマ~」と駆け寄る姿を見て、あっさりとウンソを引き渡す。あのシーンも良かった。3話はとにかく名シーンのオンパレードですね。
冒頭にも述べましたが私は「秋の童話」がすごく好きというわけじゃないです。今の時代に見ると首を傾げざるを得ない点が多々あるけど、2007年に見た時だってう~んと思いながら見た。だけど、見る人の心をグッと掴む吸引力は、いまなお健在。