パンチパーマに濃い眉毛、Tシャツから出るムキムキの二の腕…見るからに暑苦しい主人公のスチール写真に、これは昭和時代の映画に違いないという先入観で見始めたこの映画、最後の方にシン・ヒョンビンさんが出てきて脳がバグる。へ?2020年の映画なの?最近じゃん。
主人公チョルスは知的障害があり、カルグクス店を営む弟一家と共に暮らしている。ある日、運転席から謎のおばさま(キム・ヘオクさん)に、道を尋ねられ、「一緒に乗って案内してよ」と同乗させられることに。半ば強引に連れて行かれた先は病院で、闘病中の少女と出会う。その少女は彼の娘だというのだ…
その娘、なぜだか大邱に行きたがっていて…
という感じで、知的レベルが娘の方が父より上、な親子二人の、大邱へのドタバタロードムービーがスタートする。「アイ・アム・サム」的な映画なのかなと油断していると思わぬ展開に号泣する羽目に。
いつも思うんだけど、韓国ドラマってすごぉく長いじゃないですか、なのに映画は短い。これも1時間51分しかない。なぜそんなに短縮できるかというと、なぜ娘がいるのか、ヘオクさんとの関係は、ヘオクさんとの経済格差と予想される結婚への壁、なんかは一瞬で理解できるような工夫がされてるんだよねー。そこに無駄な時間を使わない分、感動させるところはしっかりと感動させる。
主役のチャ・スンウォンさんこそ初見でしたが、弟役は「おつかれさま」のパク・ヘジュンさん。チョン・ヘビンが妻役で、ここも脳がバグるポイント。パク・ヘジュンさんはザ・お父さん、みたいな役しか見たことがなかったし、チョン・ヘビンはザ・意識高い系の女子、みたいな役しか見たことがなかった。この二人が夫婦なんだー。へー。しかもヘビンは珍しくカルグクス店のガラっぱちな女主人役。でも似合ってたな。
警察官もチンピラも、こないだ視聴し終えたばかりの「財閥家の末息子」に出てた人で、これも脳バグりポイント。
内容を忘れた頃にもう一度見たい良品。