う~ん、これは良かったですねー。
最近、見るドラマ見るドラマいまひとつで、あぁ私はもう韓ドラを楽しめる時代から卒業してしまったのかな、なんて思ってましたけど、これは良かった。
まずは何と言ってもチェ・ウシク。彼ほんと素晴らしいわ。チェ・ウシクを初めて観たのは「屋根部屋のプリンス」。ユチョンが主役(王様)で、お付きの3人のうちの一人だった。こういう配役って、次なるスター候補のお披露目的な意味合いもあると思うんだけど、失礼ながら3人の中で一番どーでもいい役だったと思う。1人は参謀、1人は護衛。チェ・ウシクは正直数合わせ?って思ったぐらい。
次に見たのは「運命のように君を愛してる」。ここでもなよっとした、どっかで見たことある男の子だな、ぐらいの印象。本筋とは関係ない、いてもいなくてもいい役だった。
そこへきての「半地下の家族」ですよ。ガツーンと殴られたような気がしました。なよっとした家庭教師のお兄ちゃんは、実は表と裏を使い分ける詐欺師。ラストの「アタマを怪我したせいで、笑っちゃいけない場面で笑っちゃう」シーンもめっちゃ印象的だった。父と子の、軍隊経験者だけが共有する「つながり」のシーンでは、なよっとしてるのに男らしい不思議な感覚がした。
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さて、このドラマでは、ヒロイン、ムビのことが大好きで追いかけまわしていた子犬のようなギョムが、5年間姿をくらましてしまいます。
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ここの部分を、「連絡ぐらいできたでしょ」と書いてるブロガーさんを見かけたけど、私は「いや、これは無理でしょ」派です。
婚約者(ここでは違うけど)の謎の失踪、がテーマの小説とかって、たいていが、仕込まれたネタを最後に知ってガッカリで終わるんですよね。でもめずらしくこのドラマは、私は納得しました。描き方も、失踪された側から書くと推理小説になるけど、「恋するムービー」の場合は失踪(じゃないけど、急に音信不通になる)ギョム側の視点で描かれていて、視聴者は理由をわかって見続けてるパターンです。このパターンの方が、ぜったいいいと思う。理由を最後まで秘密にされて引っ張られると、陳腐な理由じゃ許さないぞ、みたいなハードルがどんどん上がっちゃうんでしょうね。たいてい最後にガッカリします。(むか~し見た「めぐり逢い」っていう映画はほんと良かった。視聴者は理由を知ってるパターンです。ヒロインが突然音信不通となります。)
恋するムービーの悪いところも書きましょう。それは主人公たちが若すぎる!最終回で30歳を超えてる設定なんだと知りましたけど、チェ・ウシクもパク・ボヨンも童顔ですからねー。高校生時代の回想もまったく違和感なし。大学の映画サークルみたいに見えちゃうのに、いっぱしに監督だの評論家だの、そして脚本家と作曲家も出てくるけど同級生で、おままごとに見えてしまいました。ま、役者さんたちが若見えしちゃうんだから仕方ないですね。昭和の40代と令和の40代もぜんぜん違いますしね。


脱線しましたが、ギョムの兄役のキム・ジェウクさん、私はこの方のドラマを1本最後まで見通したのは初めてです。「コーヒープリンス」は脱落、「彼女の私生活」は見る機会がなく。日本語堪能な役者さん、ぐらいの知識しかありませんでしたけど、この役には苦しいくらい泣かされました。いつかいなくなってしまうんじゃないか、みたいな蔭。本物の病人みたいな役作り。白髪が3本見えるのはわざとかな。だとしたらヘアメイクさん上手すぎです。健康的なロン毛じゃなくて、どことなく病的な感じがする。不潔感はないけど清潔感もない、イケメンなんだかよくわからない紙一重な雰囲気がリアルでした。
長くなるからささっと、チョン・ソニさんのこと。脚本家の役です。「花様年華」でヒロインの娘時代を演じた役者さんで注目してました。このドラマではセミロングで雰囲気がぜんぜん違う。シジュンとジュアのサイドストーリーも良かった(というか、ダメなカップルっぷりが、ありそうでリアルだった)。仲良い時はいいカップルなんだけど、ダメになるととことん傷つけ合うこじらせカップル。こういう組み合わせはダメだよねー。彼の才能(音楽)に二人して全てをbetしちゃってるから、ダメになると何もかもがとことんダメになる。シジュンの兄や父は典型的な金持ち悪役なんだけど、この二人がせっせと俗世間でお金を稼いでくれてて、シジュンの才能を信じてない割には高い機材やスタジオを不自由なく使わせてくれてることを忘れるでないぞ。
次は「彼女の私生活」にしようかな。